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第3回  またまたツシマヤマネコ捕獲!! 平成8年12月1日

 前号でも紹介したヤマネコ捕獲のニュースに喜々としていた私達の前に、またまたツシマヤマネコが姿を現わしました。
七月の時の子猫は、言わばアクシデントで偶然保護されたのですが、今回は県の捕獲作戦による計画的なもの。それも、(準備期間はあったそうですが)今年度の作戦開始の当日に成功したとなると、これは快挙です。二年間空振りに終わった捕獲作戦でしたが、三年目は幸先の良いスタートをきったと言えるでしょう。
今回の経過は、TV・新聞・雑誌その他諸々のメディアで報道された通り、十二月五日の午後五時四十分頃、上対馬町舟志において捕獲。
翌十二月六日に福岡市動物園に移送。数日観察した後、十二月十二日に検査した結果、雄の成獣で推定三歳、体長五十三cm(しっぽは二十二cm)体重四・五kg、きわめて健康!!以上です。
捕獲の翌日のニュースではどの局も、捕獲の瞬間のシーン(箱に入って蓋が閉まり、しっぽが挟まれた)を繰り返し放映していました。ただ「捕まった」というだけであった前回のヤマネコに比べて、今回は劇的瞬間を映像でとらえていたことがTV向きだったわけです。捕獲箱の周りを警戒しつつ餌を食べる姿、何度もためらいつつ箱に入りかけては止まり、ついに全身が箱に入りきったその時!当のヤマネコにとっても、私達人間にとっても運命の扉が閉まった瞬間でした。こういう絵になる映像があったからこそ、何度も電波にのり、全国の家庭にツシマヤマネコの生の姿が届けられたのでした。
少しはヤマネコの事を勉強していたつもりの私でしたが、実際の映像を見ては、「あ、本当だ、姿勢が低いし、すごい胴が長い〜」「餌食べててもびくびくして警戒してるね〜」などと一人つぶやいていました。百聞は一見にしかず。視覚に訴える映像の強みを感じさせられた今回の捕獲劇でした。(智)
 
 

 
ヤマネコ捕獲作戦について
 ツシマヤマネコ捕獲の報を聞き、今回のヤマネコを捕まえた当事者でもある、山村さんに当時のお話しをうかがいました。
捕獲現場は山中の小さな沢沿いで、
数ヵ月も前から給餌をしていたそうです。その甲斐あってか、十一月二十六日にヤマネコが初めて現われ、
ライトや捕獲箱にならすこと十日。
決断の末十二月五日に捕獲したとのことでした。箱わなは手動式の為、沢をはさんで八mの位置で待ちの姿勢。蓋を閉めて捕獲に成功した時にはほっとしたというのが実感だったそうです。
捕獲時には山村さんお一人だったとのことで、さぞ大変だったろうと思ったのですが、実はそうではなかったようです。というのも、とにかくヤマネコは信じられないくらい警戒心が強く、慣れない人の匂いがすると、全く近づかなくなってしまうとのこと。いざ捕獲という事で応援の人が来た途端、肝心のヤマネコに逃げられては元も子もありません。
いろいろとお話をうかがうたびにつくづく思います。ヤマネコを守ろうと口で言うのはた易いが、実際にヤマネコに接している方々の御苦労は大変なものだと。そして、簡単にできるような甘いものではないと。
では、現場にいない私達にできることは何なのか、その答えを一日も早く見つけたいと思っています。

ツシマヤマネコを取り巻く現況

 平成八年九月二十七日午前八時頃、上対馬町佐須奈トンネル出口付近で、ツシマヤマネコの死体発見と新聞報道された。後日、対馬支庁の担当者、丈下さんに詳しくお話しをうかがった。
ヤマネコの性別は雌。推定年齢は生後五〜六ヶ月。頭胴長四十三cm、体高二十五cm、尾長二十cm、体重一、七五〇g。死因は交通事故による外傷と思われ、右前足を骨折していた。何しろ約百匹の内の一匹の死亡が確認されたわけで、残念な事だと落胆しておられた。その言葉の内には想像以上に厳しい現実が感じられた。
現在、公式に生息が確認されているのは峰町以北に限ら
れ、下県地区では、昭和五十九年、久根田舎地区で死体が発見されたのが最後である。その後は目撃談や噂、足跡や糞等の痕跡しかなく、はっきりとヤマネコが生息している証拠は見つかっていない。この二年間の捕獲作戦でも、内山、久根田舎、今里地区ではまったく不調に終わった。もはや、下県地区のヤマネコは絶滅したと言うしかないのだ。
最後の砦となった上対馬地区も同様である。上県町の一部を除けば、ほとんど痕跡すら見つからないのが現状である以上、人工増殖にかけるしかない。
そういった事情で今回ヤマネコを捕獲したわけだが、この七月に保護された子猫も、福岡市動物園で元気に成長している。園長先生にお話しをうかがったところ、当初より二まわりも大きくなり、体重も三kgほどに増えているそうである。来年二月にも詳しく検査をする予定で、性別もはっきりさせたいということであった。しかし、相変わらず警戒心は強く、ちょっとした物音にも怯え、容易に人を近づけさせないようだ。
今後も捕獲作戦は続けられ、カップルが誕生し二世が生まれれば、子供達は将来対馬の山に帰ってくるという。しかし、環境破壊は深刻である。動物園でヤマネコは順調に増えたとしても、帰るべき対馬の山がヤマネコの住処として機能しなければ本末転倒であろう。
解決すべき問題は山積しているが、ヤマネコ絶滅までのカウントダウンは止まってはくれない。

平成8年12月1日 やまねこプレス3号 やまねこ学校より抜粋

 

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