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第7回  ツシマヤマネコの巣立ち 平成10年1月15日

 平成九年十月二十五日、各報道機関から一斉に発表された、「ツシマヤマネコ巣立ち」のニュース。ツシマヤマネコに関してはとにかく暗〜い話題しかなかった今日この頃、久々に胸のつかえがとれた思いでした。
要約すると、「七月初めに上県町内の山奥の古倉庫で発見されたツシマヤマネコの子猫が、関係者の皆さんの協力により八月末無事に巣立った」ということですが、今回の発見が大きなニュースになったのは、発見場所の近くで行われる予定であった林道工事を二ヵ月延期した事も関係しているのでしょう。
こういったケースの場合、選択肢はいくつかあります。人工繁殖を優先させるのであれば、親子共々さっさと捕獲するに限ります。施設に収容すれば伝染病や外敵から守れると同時に、待望のメスが入手できるのですから。
逆に、ヤマネコは自然の摂理にまかせ、人は人の道を行くとわりきるのであれば、一切の干渉をしない事です。当然工事も予定どおり行ったでしょう。
「給餌など必要最小限の協力はするが、原則として人間の手を加えない。また、工事などの住環境に影響を与えるような作業は一時みあわせる」
今回のヤマネコ一家に関わった方々が選択し、下された決断です。それと同時に、発見者である糸瀬さん、給餌・観察を続けてこられた山村さん、林道工事の一時凍結を英断された上県町役場関係者は、不必要な干渉を防ぐために一切情報を漏らさず、沈黙を守り通しました。そのおかげで、ヤマネコ一家は平和なひとときを過ごす事ができたのです。
ツシマヤマネコは、イエネコ同様一回に二匹から四匹程度の子供を出産します。しかし、厳しい生存競争の中では成獣になれるのはせいぜい一匹。今回のように、子育て(それも幼獣期)という親子共に大変な時期を安全に過ごすことができたら、ツシマヤマネコの生息数を増加させる事につながる可能性もあるのです。もしかしたらこの母猫が今年も子育ての場にここを選ぶかもしれないし、子猫達が成長して再び帰ってくるかもしれません。ツシマヤマネコと人間にとって良い関係が保てるのは理想的です。こんな風に、安心して子育てのできる場所が幾つもできれば、と思います。楽観的な考えですけど。
あの三匹の子猫は安住の地を発った後、無事に成長できたのでしょうか。
写真提供 山村辰美氏

平成10年1月15日発行 やまねこプレス7号 やまねこ学校より抜粋

 

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